妊婦健診
妊婦健診とは
妊婦健診(妊婦健康診査)は、お母さんの健康状態をはじめ、お腹の赤ちゃんの育ち具合を確認するための健康診査です。身体測定や血液・血圧・尿などの検査を中心に行います。妊娠中は様々な変化が体にみられます。自覚症状がなく、一見順調そうにみえたとしても、見えないトラブルが隠れている可能性があります。気がかりなことや不安あるいは心配がなくても、妊婦健診は少なくとも毎月1回(妊娠24週以降は2週間に1回、妊娠36週以降は毎週1回)は、必ず受けるようにしてください。
こんな症状には注意が必要
健診日の日でなくても出血や腹痛など「何かおかしい」と感じた場合は、ご遠慮なさらず速やかにご受診ください。とくに以下のような症状がみられたら、早めにご相談ください。
・むくみ ・性器出血 ・腹痛 ・発熱 ・下痢 ・めまい ・吐きけ、嘔吐 ・強い不安感 ・頑固な便秘 ・いつもと違うおりもの ・強い頭痛 ・イライラ感 ・つわりによる衰弱 ・激しい動悸 ・今まであった胎動を感じなくなった など
妊婦健診で行われる検査
毎回共通する基本的な項目
健康状態の把握
妊娠週数に応じた問診・診察等を行います。
検査計測
妊婦さんの健康状態とお腹の赤ちゃんの発育状態を確認する基本検査(子宮底長、腹囲、血圧、浮腫(むくみ)、尿検査(糖・蛋白)、体重(1回目は身長も)等)を行います。
保健指導
妊娠期間を健やかにお過ごしいただくための食事や生活に関するアドバイスを行うと共に、妊婦さんのメンタル面に留意し、妊娠・出産・育児に対する不安や悩みの相談に応じます。また、家庭的・経済的問題など個別支援を要する方には適切な保健・福祉サービスが受けられるように、市区町村の保健師等と協力して対応いたします。
必要に応じて行う医学的検査
妊娠初期~23週
- ○血液検査【初期に1回】
血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)、血算(白血球、赤血球、血小板の数・大きさ・容積・形態など)、血糖、B型・C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体 - ○子宮頸がん検診(細胞診)【初期に1回】
- ○超音波検査【期間内に2回】
妊娠初期~30週
- ○血液検査【妊娠30週までに1回】
HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)抗体検査 - ○性器クラミジア【妊娠30週までに1回】
妊娠24週~35週
- ○血液検査【期間内に1回】
血算、血糖 - ○B群溶血性レンサ球菌【期間内に1回】
- ○超音波検査【期間内に1回】
妊娠36週~出産
- ○血液検査【期間内に1回】
血算 - ○超音波検査【期間内に1回】
乳房相談
乳房相談とは
妊娠中は体の様々な箇所に変化がみられます。一番目立つのはお腹ですが、乳房におきましても妊娠経過に伴い、乳首を含め、いろいろな変化がみられます。乳房相談では、妊娠中の日々変化していく乳房の違和感や痛みなどの診療、日々大きくなっていく乳房のお手入れ方法、母乳で育てる際のアドバイスなどを行っております。母乳で育ててみたいが不安や心配事があるという方も、お気軽にご相談ください。
妊娠初期から出産直前までのおっぱい(乳房や乳首)の変化とその対応
妊娠初期~15週
- 乳房に張りが出ます。
- 乳首が敏感になり、触れるだけで痛みが出ることもあります。
- 乳首や乳輪が黒ずみます。
妊娠16~36週
- 乳腺が発達していきます。
- 乳房が大きくなっていきます。
※乳頭に白いカスが見られることもありますが、入浴時に洗い流してください。乳首と乳輪が柔らかくなるように、指で丁寧にマッサージしてみてください。この頃にはマタニティブラジャーを着用しますが、家ではブラジャーを外し、胸を締めつけないようにします。
妊娠37週~分娩
- 出産後に備え、乳房の準備(母乳が出る状態)が整っている時期です。
- 乳房が妊婦さんによっては、2倍の大きさになることもあります。